STORY 6 おうちでプロポーズ(S.Oさん)

STORY 6

おうちでプロポーズ(S.Oさん)

プロポーズのきっかけは、同棲を始めても彼女が今までと変わらなかったことでした。
自分は一緒に住むことで、お互いに何かしら見えてくるものがあるのではないか、と考えていました。それがいいことであれ、悪いことであれ、もっと近くに身を寄せることで見えてくるものがあると思っていました。でも、生活が始まっても、彼女は彼女らしく、自分に対して裏表のない態度で接してくれました。自分はそれをとても嬉しく、この人となら一緒にいられる。むしろ一緒にいて欲しいと感じました。

プロポーズのシチュエーションは色々考えました。
夜景が見える場所、豪華なレストラン、おしゃれな個室レストラン。どれも素敵でロマンチックだと思いました。しかし、自分達二人にはどうだろう。何か違和感がありました。悩んだ末、ある程度アイディアがまとまったところで、彼女に内緒で婚約指輪を購入しに行きました。

彼女の好みはだいたい把握していたつもりでしたが、記念になるものなので彼女にばれない様に確認することにしました。パソコンで婚約指輪を眺める彼女をこっそり観察。長く指を止める種類が好みだろうと予想し、およそアクセントとしてピンクダイヤモンドが付いているものがいいのだなとわかりました。翌日インターネットと雑誌を駆使し、吟味を重ねた結果、運命のお店を見つけることができました。指輪が仕上がるまでの数週間、彼女の喜ぶ顔と、心配な気持ちが混ざり合った、複雑だけれど幸せな気分でした。

プロポーズ当日、この日実は仕事が休みだったのですが、仕事があると彼女に嘘をつき、いつもの出勤時間に家を出ました。まずどこへ向かったのかというと、婚約指輪をカフェリングさんに取りに行きました。この日に指輪が出来上がる予定だったので、すぐに渡したいという思いでこの日をプロポーズの日に選びました。
指輪を目の前にした時、高揚感で気持ち的には完全に舞い上がっていたと思います。でもお店のスタッフさんに悟られないように、ポーカーフェイスで必死に隠しました。そして自分の最寄り駅に戻るころには、自分の覚悟という、程よい緊張状態でいることができていました。それから必要なものを購入し、ポケットに指輪を隠して準備は完了。自宅前に帰って来たところで、彼女に最寄り駅まで迎えに来てほしいという内容を伝えるために電話。しかし、何度かけても彼女は電話に出ません。朝出掛けるつもりはないと聞いていたので、家に居ることは確かなはずなのにと不安がよぎりました。ここまできて諦めてたまるかと、根気よくかけ続けるとやっと彼女が電話に出てくれました。ほっと一安心しながら姿を見られないように、マンションの玄関が見える位置に隠れつつ移動。彼女が歩いて駅に向かったことをこっそり確認。すぐさま家に入り、先ほど購入したワインとケーキ、音楽をかけて準備完了。何度も不備がないか頭で確認し、そして自分もすぐ駅に引き返しました。
歩かされたことに少し不機嫌な彼女に、一緒に帰りたかったからと言い訳をしつつ帰宅。玄関に先に入るように促すと、何やら異変に気付いた様子。警戒し、驚き戸惑う彼女の手を引き、テーブルの前へ誘導。現状を理解しようとする彼女の前でケーキの蝋燭を点灯。自分の手でそっと彼女の右手の平を上に向けさせ、それをサンドイッチするように指輪の箱を彼女の手の上に置いて、箱の蓋を開きました。
「これからの人生で、一緒に生きていくのは蕗子しか考えられない。結婚して下さい。」
指輪の前で想いをのせたプロポーズ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」と笑顔でokの返事をもらいました。
そして、指輪をはめる緊張の一瞬。
彼女の指のサイズは指輪のサイズとぴったり一致。
唯一自分が断念した計画、それは指輪のサイズでした。あらかじめどうやって彼女に知られることなく指の太さを測ればいいかわからず、結局いい方法を見つけられないままでした。しかし、指輪のサイズが修正なんてまるで必要もないくらいぴったりであったことは、まさに二人の間に運命のようなものを感じました。運命とは少し大袈裟かもしれませんが、これから様々なことが起きても、二人なら上手くやっていけそうな、そんな気を起こさせる出来事でした。

プロポーズをするにあたって自分達二人にはどんなシチュエーションが相応しいかを心掛けました。そう考えると、一緒に一から家を探し、忙しい中で引っ越しの話し合いをし、初めて協力して取り組んだこの家こそがプロポーズをするに相応しい場所だと考えました。
これが自分たちのプロポーズストーリーでした。

おうちでプロポーズ
Shota Fujii